投稿日: 2021年01月29日
今回は換気のお話し。
2003年建築基準法の改正により全ての居室※1には24時間換気が義務づけされました。
家の気密化が進み、当時問題になっていたホルムアルデヒドなどの揮発性有害化学物質による
シックハウス症候群を防ぐのが主な目的でした。※2
ですので、2003年以降に家を建てられた方は全て24時間換気のシステムが備わっていることになります。
24時間換気とは読んで字のごとく24時間常に換気が行われるシステムの事で、
住宅の居室の場合、0.5回/hの換気能力が必要とされています。
0.5回/hとは、2時間に1回部屋の空気が全て入れ替わる計算になります。
24時間換気の目的は塗料や家具に含まれた化学物質による「シックハウス症候群」や
カビ・ダニによるアレルギーなどの健康被害を防止し、
また水蒸気などの湿気が部屋にこもって結露の発生を防ぐことです。
換気方式は、第1種換気方式・第2種換気方式・第3種換気方式があり、
一般的な住宅で多く採用されているのが第3種換気方式と呼ばれる、
排気を機械(換気扇)で行い、給気は自然換気(給気口)で行う方式です。
換気扇で強制的に排気をするので、トイレや浴室、洗面脱衣室等湿気が発生する室に
排気用の換気扇を設けることで湿度を抑え、結露の発生を防ぐのに効果的です。
但し、給気が給気口に依る自然換気ですので外の温度の空気がそのまま入ってくるので
冷暖房効率は悪くなります。
冷暖房効率が気になる場合は、給気も排気も機械換気で行う第1種換気とし、
熱交換型の機器とすることで改善されます。
但し、第3種換気に比べ機器が増える分イニシャルコスト、ランニングコストが増えることになります。
日々の注意点としては、24時間換気として使用されている換気扇のスイッチを切らないことと
給気口を閉めっぱなしにしないことです。
写真のタイプの給気口の場合、下面の開閉のレバーがついていて開け閉め出来ます。
一時的に寒さが気になる場合に閉めた場合は忘れず開けるようにしましょう。
また換気扇や給気口のフィルターを数ヶ月に一度は掃除をしましょう、
空気の取り入れ口である給気口が汚れていては意味がないですし、
換気能力も落ちてしまいます。
24時間スイッチをつけっぱなしで電気代が気になるところですが、
第3種換気で月数百円程度ですので、健康被害や、結露の発生で家の寿命が縮まることを
考えれば高くはないと思います。
もうひとつ気を付けたいことは、各部屋のドアの下に隙間が空いている場合、
それはアンダーカットといって換気の通り道となっていますので、
隙間風等が気になり塞いでしまうと換気が妨げられてしまいます。
アンダーカットの隙間でお子様が足の指を挟んでケガをするではないかと心配であれば
アンダーカットではなくガラリにする、アンダーカットが必要のない引き戸にする。
隙間風や防音が気になるという事であれば各室給排気を検討する等の対応が必要かと思います。
家の計画の際換気計画はあまり重要視されない傾向もありますが、
快適な住環境と人と家の健康には重要な要素となりますので
換気方法や正しい使い方の知識の理解が必要ではないかと思います。
投稿日: 2021年01月22日
住宅の基礎の役割としては、
・建物の荷重や外力(地震や風)などをバランス良く地盤に伝える。
・地面の湿気から建物を守る。
ということが挙げられます。
今回、採用しているのはベタ基礎と呼ばれる床下全体にコンクリートを打って作る基礎です。
建物の荷重などの力が面として伝わる為、地盤への負荷が分散され不動沈下が起こりにくく、
またコンクリートで床下を覆っている為、
シロアリの侵入も防ぐことができ、地面からの湿気も入りにくいメリットがあります。
工程はまず基礎の形に合わせて地面を掘り、砕石を敷き、転圧して地盤を固めます。
地面から基礎に湿気が流入しないように防湿シートを敷き込み
墨出しや型枠の固定の作業をし易くするための均しコンクリートを打設します。
ここまでが配筋、コンクリート打設等の本格的な基礎工事の準備段階の地業工事になります。
投稿日: 2021年01月15日
2020年12月23日に公布された「押印を求める手続の見直しのための国土交通省関係省令の一部を改正する省令」により、
建築基準法施行規則等が改正され、建築確認申請書類について押印不要で手続きができることになりました。
確認申請以外の申請及び届出に関しては押印不要かどうか都度確認は必要ですが、
これまで、図面一枚、一枚に設計者印を押していたので手間がかなり少なくなり助かります。
脱ハンコの話題が出てから、こんなに早く改正されるとは思ってもいなかったので驚きです。
委任状への押印も不要になるのは更に驚きです。
(尚、構造計算安全証明書については今回の改正対象外のため、引き続き押印が必要です)