• 接道義務

    投稿日: 2022年03月09日

    建物を建てる敷地は、道路に2m以上接していなくてはいけないという
    建築基準法の規定が接道義務と呼ばれるものです。
    接道義務は火災等の災害時の避難経路確保や消火活動が出来るように
    する為確保するものです。

    建物の土地を探す場合や建替をする場合に気を付けなければいけないのが、
    細い通路を通って奥に行く旗竿地とも呼ばれる路地状敷地の場合に
    通路の幅が2mを切っていないかということがよく問題になります。
    路地状敷地の場合、自治体によって条例で2m以上という建築基準法に加え
    敷地形状に制約が付加されている場合があるのでよく確認が必要です。

    もうひとつ気を付けなければいけないのが、敷地に接している道が
    建築基準法上の道路かどうかということです。
    一見すると普通の道路に見えても建築基準法上の道路として認定されていない

    ということがあります。

    各役所の都市計画課で調べればその道が建築基準法上の道路か、
    基準法上の道路の場合、どの種類の道路かを調べることが出来ます。
    その際、まだ建築基準法上の道路かどうか調査されていない道の場合もあります。
    その場合、道路判定の申請をして建築基準法上の道路かどうか、
    建築基準法上の道路の場合どの種類の道路になるか判定してくれます。
    (道路の種類については下記記載)
    道路判定で建築基準法上の道路ではないと判定されると非道路ということになり
    接道としては認められず隣地扱いとなってしまいます。

    では非道路にしか接していない敷地は建築が絶対に出来ないかといえば、

    そうではなく敷地周辺の状況や建築物等の条件により,

    その計画が認定又は許可を受けることで,建築が可能となります。
    建築基準法第43条第2項第1号の規定に基づく認定又は
    建築基準法第43条第2項第2号の規定に基づく許可といわれるもので
    それぞれの認定,許可要件に適合すれば認定,許可を受けて建築可能になります。
    購入をしようという土地や建替する建物の土地に接している道路が非道路だと
    わかった場合、すぐに諦めずに専門家に「43条の許可」がとれるかどうか
    相談をしてみてください。


    道路の種類 
    42条1項1号 1号道路    国道、県道、市道等の道路法上の道路
    42条1項2号  開発道路   開発許可等によってつくられた道路
    42条1項3号  既存道路   建築基準法施行、都市計画区域指定の際既にあった道路
    42条1項4号  計画道路   道路法、都市計画法等で2年以内に事業が執行される予定の道路
    42条1項5号  位置指定道路 政令で定める基準に適合する私道を築造し特定行政庁から

                   指定を受けた道路
    42条2項   2項道路    法施行の際、現に建物が立ち並んでいた道路幅4m未満で

                                                    特定行政庁が指定した道路  

    42条3項          土地の状況により4m未満で指定された道路
    42条4項          6m区域内の特定行政庁が認めた道路
    42条5項                                   6m区域指定時に現存していた幅員4m未満の道路
    42条6項          幅員1.8m未満の2項道路

  • シックハウス対策

    投稿日: 2022年03月03日

    設計業務未経験から入社した私が設計課に所属し日々業務に務める中で、

    「このお仕事をしていなかったらきっと知らなかったなぁ…」と感じた

    建築の専門用語を解説していきます!

    第5回では「シックハウス対策」についてお話しします。

    今までご紹介した単語と違って、

    もしかしたらシックハウス対策やシックハウス症候群はご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

    私も単語だけはニュースで聞いたことがありました。

    まずシックハウス症候群とは何かといいますと、

    新築や改築時に使用した建材や内装材の化学成分が室内の空気を汚染して

    居住者に目まいや吐き気、呼吸困難などの体調不良を引き起こす症状全体を指します。

    ちなみにシックハウス症候群と化学物質過敏症は別物なんです。

    シックハウス症候群は、汚染された空間にいることで症状が出るため

    その部屋を離れると症状が出なくなると言われています。

    一方で化学物質過敏症は体内に蓄積された化学物質により

    少ない化学物質にも反応を起こすという症状が出るもので、

    住宅以外でも発症することがあります。

    話を戻しますが、現代の建築物では化学物質を多用する工法の普及や気密化が進んだことにより

    空気中の化学物質の濃度が高くなりシックハウス症候群が大きな問題となりました。

    そのため2003年に建築基準法が改正され「シックハウス対策」が義務付けられたのです。

    規制された化学物質は、木材の防腐や防蟻に用いられるクロルピリホス

    そして接着剤などの原料として使用されているホルムアルデヒドが挙げられます。

    ホルムアルデヒドを発散する内装材は、

    ホルムアルデヒドの発散速度によって区分されます。

    また区分された等級の表示が義務付けられ、さらに等級によって使用面積の制限があります。

    F☆☆☆☆は制限なしで使用できますが

    F☆☆☆やF☆☆と表示されているものは使用できる面積に制限があり

    表示のない(発散速度の多い)ものは使用禁止となっています。

    また、ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合も

    家具などから発散される恐れがあるため居室には機械換気設備の設置が義務付けられているのです。

    他にも天井裏や床下、収納スペースから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため

    F☆☆☆以上の建材を使用しなければならなかったり

    気密材などを用いて居室との空気の流れを遮断するなどの措置が必要になります。

     

    このような制限が健康な暮らしを守るんですね!

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