投稿日: 2022年03月03日
設計業務未経験から入社した私が設計課に所属し日々業務に務める中で、
「このお仕事をしていなかったらきっと知らなかったなぁ…」と感じた
建築の専門用語を解説していきます!
第5回では「シックハウス対策」についてお話しします。
今までご紹介した単語と違って、
もしかしたらシックハウス対策やシックハウス症候群はご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
私も単語だけはニュースで聞いたことがありました。
まずシックハウス症候群とは何かといいますと、
新築や改築時に使用した建材や内装材の化学成分が室内の空気を汚染して
居住者に目まいや吐き気、呼吸困難などの体調不良を引き起こす症状全体を指します。
ちなみにシックハウス症候群と化学物質過敏症は別物なんです。
シックハウス症候群は、汚染された空間にいることで症状が出るため
その部屋を離れると症状が出なくなると言われています。
一方で化学物質過敏症は体内に蓄積された化学物質により
少ない化学物質にも反応を起こすという症状が出るもので、
住宅以外でも発症することがあります。
話を戻しますが、現代の建築物では化学物質を多用する工法の普及や気密化が進んだことにより
空気中の化学物質の濃度が高くなりシックハウス症候群が大きな問題となりました。
そのため2003年に建築基準法が改正され「シックハウス対策」が義務付けられたのです。
規制された化学物質は、木材の防腐や防蟻に用いられるクロルピリホス
そして接着剤などの原料として使用されているホルムアルデヒドが挙げられます。
ホルムアルデヒドを発散する内装材は、
ホルムアルデヒドの発散速度によって区分されます。
また区分された等級の表示が義務付けられ、さらに等級によって使用面積の制限があります。
F☆☆☆☆は制限なしで使用できますが
F☆☆☆やF☆☆と表示されているものは使用できる面積に制限があり
表示のない(発散速度の多い)ものは使用禁止となっています。
また、ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合も
家具などから発散される恐れがあるため居室には機械換気設備の設置が義務付けられているのです。
他にも天井裏や床下、収納スペースから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため
F☆☆☆以上の建材を使用しなければならなかったり
気密材などを用いて居室との空気の流れを遮断するなどの措置が必要になります。
このような制限が健康な暮らしを守るんですね!