投稿日: 2023年03月10日
設計業務未経験から入社した私が建築についてご紹介するブログです!
第25回では埋蔵文化財包蔵地についてお話しします。
例えば家を新築する計画地が埋蔵文化財包蔵地であったとします。
(○○市 埋蔵文化財 などと検索すると調べることができます。)
埋蔵文化財包蔵地は「もしかしたらこのあたりのの地中には文化財があるかもしれない」
と行政が定めている土地であり、勝手に掘削工事ができないのです。
そのため工事着工の60日前には届出をする必要が出てきます。
ある行政庁での届出の流れでは以下のように、
教育委員会に土地利用計画図や基礎断面図、基礎伏図等を提出して
工事内容を確認されたうえで「慎重工事」「立会」「試掘調査」といった通知が送られてきます。
慎重工事であれば調査なく文字通り慎重に工事すればよいのですが
それ以外の場合は検査員の立会で文化財の出土が無いのを確認してからの着工となるケースや
試掘調査をし、結果が出てからでなければ工事に進めないケースもあります。
また試掘調査の結果、重要な文化財が出土した場合は
工事が止まったり図面の変更を求められるため
工事再開まで時間がかかる可能性もあります。
埋蔵文化財包蔵地である場合でも、計画地の近隣で「特に何も出てこなかった」
というような過去の調査データなどが残っていれば同じような結果になる可能性が高いので
「調査の結果、工事が長い間止まってしまうなんて予想もしてなかった!」ということが避けられるかもしれません。
工事の計画地が埋蔵文化財包蔵地内外どちらであるかというのは
工期に大きく関わる可能性があるので事前に確認するのが大切です。
投稿日: 2023年03月02日
令和4年11月16日、基準法施行令第19条3項(住宅の採光規制の合理化)の改正が公布。
施行は令和5年4月1日の予定。
内容としては、住宅の居室における照明設備の設置等で床面において
50lx以上の照度を確保すれば窓その他の開口部で採光に有効な部分の面積の
その床面積に対する割合で国土交通大臣が別に定めるものを1/10とするというもの。
つまり照明設備で50lx確保すれば本来住宅の居室では1/7必要な採光面積を
1/10に緩和できるというもの。
50lxは住宅の居室では普通に確保する照度
(調光機能付であれば最高照度で50lxあれば良い)なので
割と使える緩和なのではないかと思います。
市街地で境界までの距離が無い場合なのでは採光補正係数が小さくなり
法令上採光面積の確保が難しいケースがあると思いますので、
本来は採光面積が充分に確保できていることが望ましいですが
どうしてもあともう少し採光補正係数の関係で足りないというときには
検討してみても良いではないでしょうか。